2016年2月25日木曜日

過去の事件から考える「いじめ」

金沢八景YMCA学童クラブ  ピンクシャツデーに向けての取り組み②<高学年対象>

過去に起きたいじめ事件を取り上げ、事件について考えるワークをしました。

①「いじめ」とはどのようなことだと思いますか?
②この事件を聞いて、感じたことを書きましょう。
③Aくんはなぜいじめられてしまったのだと思いますか?
④Aくんをいじめた人たちは、なぜ人をいじめてしまうのだと思いますか?
⑤自分がAくんの同級生だったら、どの立場にいると思いますか? また、それはなぜですか?
⑥このような事件を起こさないためには、どのようなことが必要だと思いますか?

事件の概要を聞いた後に、上記6つの質問が書かれたワークシートを埋めます。

すると、⑤の答えに、子どもたちのリアルな声が表れました。
「いじめるほう」(6人/10人)
理由
・人に左右されやすい
・みんながやっているとまねしちゃう
・みんながいじめているから自分もいじめをしなきゃいけないと思うから
・人をいじめるとストレス発散になるから
・自分もいじめられるのがいやだから
・周りにあわせないといじめられたり浮くから自分を守るため
「全然関係のない人」(1人/10人)
理由
・めんどくさくなる
「となりで見てる」(1人/10人)
理由
・いじめたらおこられるしたすけたら自分までいじめられる
「いじめている人をとめる」(1人/10人)
理由
・とめたほうがけんかがなくなると思う
「話し相手になる」(1人/10人)
理由
・いじめをとめる勇気がないから、まずはいじめられている人にはなしをきく

①や②では、いじめは悪いこと、悲しいこと、Aくんがかわいそうなど、いじめやいじめた人を批判する意見がほとんどでした。
頭ではいじめがいけないことだと分かっていても、⑤の答えからは、誰しもいじめに加担してしまう心理的変化を持っていることが分かります。
集団心理や同調効果のこわさを感じざるを得ませんでしたが、このワークから子どもたちのリアルな心の声を聞くことができたことは大きな収穫でした。
この子どもたちの声にどのように向き合っていくかを考えることが私たち大人の責務だと感じさせられるワークとなりました。
(金沢八景YMCA学童クラブ 渋谷 萌子)