2016年3月4日金曜日

「子ども災害ボランティアコーディネーター講座」修了しました。

 
2月28日(日)、横浜市健康福祉総合センターで行われた「子ども災害ボランティアコーディネーター講座」に参加しました。
 
この講座は、横浜市社会福祉協議会が事務局となり、子どもの頃から日ごろの防災意識を高め、災害が起きた際の担い手として家族や地域を守れることができるようにするための取り組みです。
 
当日のワークの様子をご紹介します。
 
<ワーク1>
防災カルテット
 
・津波がくる
・地震が起きた
・火災が起きた
・怪我をした
 
上記の4場面において、優先して取るべき行動を複数のカードの中から4つ選びます。
5人のグループで意見を出し合いながらカルテットを作りました。
 
「優先すべきはこれよりこっちじゃない?」
 
「これは絶対に一番大事!」
 
と、それぞれが持っている知識を集結させて話し合いました。
 
「津波がくる」では、「高台に逃げる」「ラジオを聞く」「戻らない」「てんでんこ」の4つを選びました。
 
大地震が発生し津波がくるときは一分一秒を争うことになるのだと、東日本大震災から教訓を得ていることが伝わりました。
 
<ワーク2>
非常食を食べよう
 
震災時に避難所に物資が届くまでに一週間かかる想定で備蓄をしておく必要があるそうです。(3日分の食料の蓄えが必要と言われていましたが、現実的には一週間とのことです。)
 
そこで、ワーク2では実際に非常食を食べてみることになりました。
 
・缶詰パン
今回試食したのはチョコチップとレーズンの二種類でした。
チョコとレーズンの栄養価の高さから、この二種類が非常食として多いようです。
「思ったよりはまずくない!」という子どもらしい素直な感想が聞けました。
 
・非常用保存水
賞味期限が5年間あり、長期保存ができます。
「家の非常用に持って帰る!」と二、三本リュックに詰めて持ち帰る子もいました。
 
・ホットチョコウォーター
避難所が寒い時に体をあたためるために手軽に作れます。
「僕はちょっと苦手。お湯が牛乳だったらもっとおいしいと思う。」と顔をしかめる一面も。
避難所ではお湯に水あめを溶かした飲み物がよく提供されるようです。
 
 
<ワーク3>
クロスロード
 
一人一人「YES」「NO」のカードを持ち、お題に対して「YES」か「NO」か自分の意見を出します。
 
今回のワークのお題と子どもたちから挙がった意見の一部を紹介します。
 
集団登校中に大地震が発生しました。みんなで高台に逃げましたが、一人の姿が見当たりません。登校班のリーダーのあなたは、その一人を探しに戻りますか?
 
 NO⇒「自分が津波にのまれちゃうかもしれないから、戻らない。」
    「リーダーだからって関係ない。自分の身は自分で守るべき。」
    「かわいそうだけど、結局は自分が大事。」
 
水泳の習い事中に地震が発生しました。水泳のコーチと一緒に避難するよう言われましたが、地震が起きたら落ち合う場所をお母さんと約束して決めています。お母さんとの約束を優先させますか?
 
 NO⇒「お母さんに会いに行く途中で怪我をしてしまうかもしれないから。」
    「近くにいる大人と一緒にいた方が安心。」
 YES⇒「水泳のコーチよりお母さんの方が信頼できる。」
     「待ち合わせ場所に私が来なかったらお母さんが心配する。」
 
避難所に家族といるあなた。親には邪魔になるからじっとしていなさいと言われましたが、避難所にいる大人たちは色々な作業があって大変そう。あなたは作業を手伝いますか?
 
 YES⇒「子どもの自分にもできることを探して手伝う。」
 NO⇒「親に迷惑かけたくない。」
    「自分がいなくなっちゃったら親が心配する。」
 
震災時はジレンマを伴う難しい選択が求められます。
その選択に正解はありません。
少数派の意見にも耳を傾け、「自分だったらこうする。なぜなら・・」をみんなで共有し、その状況における判断をみんなで話し合う大切な時間となりました。
 
 
<ワーク4>
災害時ボランティア体験
 
災害時のボランティア登録から報告書の提出までの一連の流れを体験しました。
ボランティア登録用紙には連絡先の記入欄の他に所有している資格を書く欄があります。
登録者の希望も考慮されますが、持っている資格によってお願いされる作業内容も変わってくるようです。
運搬・撤去などの重労働と、介護・保育などの家事手伝いがありました。
実際の作業の体験はしませんでしたが、依頼書に書かれている作業内容を見て、
「どれも大変そう・・・中途半端な気持ちじゃできないね。」
と声をもらしていました。
 
3時間にわたる講座の最後には、一人一人に「修了証」が渡されました。
 
参加した子どもたちからは、
 
「今日の体験やゲームのことを生かしていきたい。」
 
「ボランティアの仕事がどれだけ大変か分かった。」
 
「ボランティアの仕事の大切さを初めて知った。」
 
と感想を聞くことができました。
 
今回の講座を受講したメンバーが、自分たちが学んできたことを自らの声で発信し、みんなで共有する場を学童クラブの中で設けたいと思います。
 
(金沢八景YMCA学童クラブ 渋谷 萌子)